矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2018.08.08

AIにできない仕事⑮  AIはブルースを歌えない その2

AI(人工知能)がやがて人間の仕事の多くを代替していくって本当でしょうか。でも、AIにもできない仕事があるのでは?

前回分をまとめると、AIが普及した時代になると、「夢見るチカラ」こそが人間の重要な価値になるということです。なぜなら何か目標を夢見さえすれば、目標実現に向けて、後はAIが何とか完成してくれるからです。でも、夢自体に魅力やパワーが無ければ大成しないかもしれませんね。するとAIが何とでもしてくれるので、中途半端におもしろくない夢がたくさん実現することになるのでしょうか。

AIは何事も完成させてしまうから、「夢見る人」に対して、若さゆえの、苦い、恥ずかしい失敗を経験させてあげることはできないのでは。すると「夢見る人」は失敗の中から軌道修正したり、当初とは違った夢が生まれたり、という経験もできにくいかもしれません。失敗が無いから、そこからの復活が無く、たまの成功を祝うことも無く、すると「夢見→挑戦→失敗→軌道修正→再挑戦→成功→夢見」といったカタルシスあふれたサイクルがなくなってしまうことはないでしょうか? 常にブロイラーのニワトリみたいに、次から次へと際限なく夢ばかり見ているようになったりして・・・。

たとえば作曲するボーカルのフロントマンだけではバンドは組めません。ひとりだけで作曲して歌って、後はAIが演奏してくれるのは手っ取り早いかもしれない。でも、バンドの魅力としてどうなんだろうか。バックで演奏する人間の仕事がなくなるだけでなく、コラボが無いのにフロントマンもおもしろいと感じるのでしょうか。逆に作曲するフロントマンになれない名演奏家たちが、深みのあるカッコいいブルースを、AIと関わりのないところで奏でるようになるかもしれません。

AIにできない仕事のヒントはこの辺りにもあるかもしれません。

(森 健一郎)

※写真はイメージ:Freepik

森 健一郎(モリ ケンイチロウ) 主席研究員
市場の分析は、数字だけには留まりません。得られた数字の背景には、開発担当のパッションや、販売担当のため息、消費者の感覚の変化・・・など様々な人間くささがあります。こうした背景を踏まえたコメントを丹念に拾い、市場の将来像を予測分析していきたいと考えています。

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