矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2019.06.12

アジアでの撮影&独り言「アジアITSイブイブイブ」日本編⑪

アジアのITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は欧米の後を5年遅れて付いてくるとおもったら大間違い。アジアには、欧米の国々のような自動車文化は根付いておらず、でもだからこそ欧米を見ていては見えてこない何かがあるような気がする。アジアのITSは前夜の前夜のそのまた前夜くらい。「アジアITSイブイブイブ」です。

今回のアジアは日本。トヨタ自動車東日本の工場見学です。筆者は平成最後の月(2019年4月)、自動車問題研究会(http://www.jimonken.jp/index.html)の試乗会に参加。複数のブランドのクルマを乗り継ぎながら、東京から常磐道を通って宮城県黒川郡大衡村の同社工場に向かいました。

トヨタ自動車東日本は2012年に誕生しました。関東自動車工業、セントラル自動車、トヨタ自動車東北の3社が結集して設立。東北を拠点に世界に向けてコンパクトカーを製造しています。

3.11の翌年設立という事もあり、同社の歩みは、東北の復興と重なる部分が多く見受けられます。①ものづくり、②地域連携、③ひとづくり、の3本の柱を目指しているということですが、そのひとつひとつが東北という地域を考えてのものとなっているからです。

まず「①ものづくり」については、現在同社の東富士工場(静岡県裾野市)で製造している小型車「ポルテ」や、トヨタMaaS車両の先陣を切ったともいわれている「ジャパンタクシー」を、東北の工場(宮城大衡工場と岩手工場)での製造に移管するという噂があります。もしそうなれば東富士工場の従業員約千百人も東北に異動するかもしれません。東北を愛知、九州に続くトヨタ第3の拠点にすべく動いていることが明白です。

次に「②地域連携」については、地域の自治体と東北電力など地元企業らが連携してのエネルギーマネジメント「F-グリッド構想」及び「地域コミュニティのスマート化」を実施することにより、地域の「防災」「環境」「交通」等の未来のスマートシティ計画を推進しています。既に非常時地域送電システムを運用中。

最後の「③ひとづくり」については、同社が工場内に設立した東日本学園で技術者を育成中です。東北6県の工業高校生15名と地元企業の5名、計20名を対象に生産技術や機械設備についての専門教育を実施。10年後にはモノづくりの中核を担う人材が200名、20年後には400名輩出され、トヨタ自動車東日本だけでなく、東北一帯の中長期的な地域振興に貢献することを目指しているとのこと。

東北地域においてもMaaS、スマートシティ、人材育成といった自動車産業の未来が動き出していることを感じながら、帰りは東北道を通り東京に戻りました。(森健一郎)

森 健一郎(モリ ケンイチロウ) 主席研究員
市場の分析は、数字だけには留まりません。得られた数字の背景には、開発担当のパッションや、販売担当のため息、消費者の感覚の変化・・・など様々な人間くささがあります。こうした背景を踏まえたコメントを丹念に拾い、市場の将来像を予測分析していきたいと考えています。

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