矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2020.05.15

【アナリストオピニオン】「オートモーティブワールド2020」レポート コロナウイルス感染直前のAMワールドで感じたCASE対応動向③

オートモーティブワールド2020~専門技術セミナー

本展示会では専門技術セミナー(有料)も充実しており、専門の講師の講演を聴講する事が可能で、最新の技術やマーケット動向を知る事が出来る。コネクテッドカー、MaaS(Mobility as a Service)、自動運転/ADAS、EV/FCV(燃料電池車)といった、自動車業界注目のトピックを扱う専門技術セミナーが全80講演(同時開催展除く)開催された。
今回の取材は、「スマートシティ」「車載HMI」「自動運転カーによるシェアリングサービス」等のセミナーについて実施した。

■スマートシティ
トヨタ自動車が「CES2020」にて、東富士工場の跡地で新たにスマートシティを建設することを発表したため、それを受けて今回の講演でもスマートシティにふれる企業が複数あった。
だがどの企業もトヨタ「ウーブン・シティ」や、グーグル「IDEA」のような具体性はなく、「スマートシティ内を走行するモビリティーとはどのようなものになるか」「MaaSの先に見えるスマートシティ」というレベルにとどまっていたのではないか。

■車載HMI
ボッシュでは「スマートシティでのモビリティーとは、個人データ収集とその解析・活用」として、液晶ディスプレイとカメラ、AIからなる革新的なサンバイザー「バーチャルバイザー」をアピールしていた。

■自動運転カーによるシェアリングサービス
RIDECELL社は、当初「2020年までには無人走行車(レベル4以上の自動運転カー)が動いている」といわれていた予測に比べて、現実はかなり遅れてしまっている」というところから話し始めた。
だが「無人走行車が、EVになり、シェアリングサービスで活用されるようになった場合、そこから普及の可能性は広がっていく」という趣旨で述べていた。

オートモーティブワールド2020~最後に

今回の展示会、専門技術セミナー講演を通して感じたことは、間違いなく訪れるCASE時代を生き伸びるために、各社が単独でがんばるのではなく、相互に補完関係を築きあげられる相手との企業提携・企業再編に乗り出す具体的な動きであった。
ただし、この世界的な自動車市場減少と、コロナウイルス被害による影響が、大きな重荷となって自動車及び周辺産業にのしかかり、それがCASE時代到来の時期をかなり遅くしてしまうのではないか・・・・・・という危惧がある。
だが、ビジネスは形が整ってから参入したのでは成功しない。「限られる投資をどこに向けるべきなのか」を見すえたうえで、CASEの未来をうまく掴んでほしいと願っている。(森健一郎)

森 健一郎(モリ ケンイチロウ) 主席研究員
市場の分析は、数字だけには留まりません。得られた数字の背景には、開発担当のパッションや、販売担当のため息、消費者の感覚の変化・・・など様々な人間くささがあります。こうした背景を踏まえたコメントを丹念に拾い、市場の将来像を予測分析していきたいと考えています。

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