矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2021.04.19

【アナリストオピニオン】「オートモーティブワールド2021」レポート 増えてきた周辺環境に利をもたらす発想のビジネスモデル③

専門技術セミナー

本展示会では専門技術セミナー(有料)も充実しており、専門の講師の講演を聴講する事が可能で、最新の技術やマーケット動向を知る事が出来る。コネクテッドカー、MaaS(Mobility as a Service)、自動運転/ADAS、EV/FCV(燃料電池車)といった、自動車業界注目のトピックを扱う専門技術セミナーが約70講演(同時開催展除く)開催された。
今回の取材は、「日産自動車の車載ソフトウェア」「ソニーのVISION-S」「日立アステモのソフトウェア開発力強化」等のセミナーについて実施した。

■JASPAR/日産自動車の車載ソフトウェア
自動車業界は「気候変動」「セキュリティへの対応」「安全や環境に対する法規制への対応」などに直面しているという。そして、それらを解決するのは全て下記のようにソフトウェアで行う。

①環境面
「EV」のソフトウェア技術で対応
②安全性
「AD+コネクテッド」のソフトウェア技術で対応

「日本におけるソフトウェア標準化」はJASPARが担っている模様。今、最も注目して複雑化を推進しているのはOTAである。

■ソニーのVISION-S
ソニーは2020年1月のCES2020で、コンセプトEVモデル「VISION-S」を発表。その後、同社はこの「VISION-Sを公道に走らせる」という目標をもって事業を推進している。
ソニーはイメージセンサをもっているので、それをクルマに活用して安全/安心を追求した。またソニーはエンタメのコンテンツを多くもっているので、それも事業に活用している。極論としては「クルマを走らせながら寝ることができる」というシステムを目指している模様。

■日立アステモのソフトウェア開発力強化
2021年、日立オートモティブシステムズとホンダ系のサプライヤであるケーヒンとショーワ等が合併して日立アステモとなった。日立主導である。日立製作所のソフトウェア技術も取り込んでいくことになるものと思われる。
ホンダ系がいることがあり、日立アステモになって新たなビジネス領域「二輪を対象とした事業」が加わった。下記が日立アステモの3大事業である。

  • パワトレ系
  • ボディ/シャシー系
  • モーターサイクル系

最後に

今回の展示会、専門技術セミナー講演を通して感じたことは、たとえ2020年にコロナ禍があり、追い打ちをかけるかのように2021年に半導体供給不足があっても、それでも間違いなく訪れるCASE時代を生き伸びるために、各社が単独でがんばるのではなく、損保ジャパンや日立アステモにみられるように、相互に補完関係を築きあげられる相手との企業提携・企業再編に乗り出す具体的な動きであった。特にCASE実現のためにますます重要さを増す車載用ソフトウェアにおける各社の強化戦略に注目が集まっていた。
またJVCKの四方良しや、NECのスマートシティ対応にみられるように、自社の利益追求だけでなく、周辺環境に利をもたらす発想のビジネスモデルが増えてきているのが印象深かった。

森健一郎

森 健一郎(モリ ケンイチロウ) 主席研究員
市場の分析は、数字だけには留まりません。得られた数字の背景には、開発担当のパッションや、販売担当のため息、消費者の感覚の変化・・・など様々な人間くささがあります。こうした背景を踏まえたコメントを丹念に拾い、市場の将来像を予測分析していきたいと考えています。

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