矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2021.04.26

【アナリストオピニオン】「使えないシステム」をなくしDXを支える新たなソリューション、ナビゲーションツールの可能性②

WalkMe株式会社

■「デジタルアダプションプラットフォーム」のパイオニア
WalkMeはイスラエルで設立され、現在はサンフランシスコに本社を置くグローバル企業で、2019年に日本法人を立ち上げた。自社製品を「デジタルアダプションプラットフォーム」と位置づけており、その点で既存のマニュアル作成ツールやユーザガイドのためのツールとの差別化を図っている。
ユーザガイド機能としては、リアルタイムに操作手順を表示する機能や、チャットボットのように一問一答で回答を進めると内容が適切な項目に投入される機能がある。それだけではなく、システム未習熟を原因とした生産性の低下を防ぎ、業務プロセスを可視化する分析機能を提供することで、継続的な業務改善も支援する。また、誤入力や入力漏れなどをなくし、質の高いデータが収集できるようになれば、システムの利用価値を高め、経営における効果的なデータ活用が可能となる。

■SalesforceやSAPなど外資系パッケージでの利用でグローバルに実績を持つ
WalkMeの対象システムは問わないが、実績としてはSalesforce、SAP Concur、SAP SuccessFactorsなど外資系パッケージの利用に伴って利用されることが多い。グローバル企業としてそれらの外資系パッケージでの利用に実績を持つことが、日本の顧客にも評価されている。
また、WalkMeはそれらの外資系パッケージの開発元(SalesforceやSAPなど)や提供ベンダー・コンサルティング企業(アクセンチュア、PwC、アビーム、アスタリスト、JBSなど)とのパートナーとの協業で、積極的に日本市場の開拓を図っている。

■DXを実現するための価値訴求
WalkMeは、「システム導入当初の情報システム部門の負担軽減やユーザの習熟度の向上などオンボーディングに役立つ面に関心を持つユーザ企業は多いが、ある程度システムの利用が定着した後でも、継続的な業務プロセスの見直しや改善にも活用できる」という。このように、「デジタルアダプションプラットフォーム」は、情報システム部門、経営者、現場部門のいずれの部門に対しても幅広く価値を提供する。
同社は、提案時に導入効果を試算するなどして効果を提示し、企業がDXを実現するためのプラットフォームとしての役割を訴求していく考えである。

株式会社テンダ

■マニュアル作成ツールの豊富な経験をもとにDojo Seroを開発
テンダは12年以上マニュアル自動作成ツールDojo(ドージョー)事業を行っており、その導入数は2,700社以上、東証一部企業の約2割に導入されている。
同社は、マニュアル作成支援事業を推進する中でニーズの変化に気づいたという。昨今は、複雑な操作の教育をしっかり行った上で使えるようになる業務システムではなく、操作しやすく立ち上げが早いアプリケーションが求められるようになっている。そのため、ソフトウェアを操作しながら直接画面上でナビゲーションを行う「Dojo Sero(ドージョーセロ)」を開発し、2019年にリリースを行った。
Dojo Seroはシステムとマニュアルが一体化し、操作不明箇所のガイドを行う。主な機能として、クリック箇所を赤枠で示し、操作内容を吹き出しで表示できる。その他に注意点を備忘録として残せるふせん貼付け、項目確認のツールチップ、操作検索など、ナビゲーションアイコンから設定できる。

■マニュアルとナビゲーションを併用し、システムの導入・定着を支援
ユーザ企業は、DojoとDojo Seroを併用するケースが多いという。新システム導入時はDojoを使ってマニュアルを作り、導入後の定着のためにDojo Seroを使うという位置づけである。情報システム部門は、Dojoで導入時のマニュアル作成の手間を削減することができ、導入後は社内ヘルプデスクへの問い合わせ対応の工数を削減できる。
「将来的には、マニュアルなしでナビゲーションツールを使うというニーズに変わる可能性はあると考えている」とコメントするが、現時点では有力なマニュアルツールとの併売が同社の強みになっているとみられる。

■展示会などでの反応に手応え
展示会などでDojoやDojo Seroのプロモーションを行っており、反応は良いが、「こういう便利な製品があるとは知らなかった。」という声を聞くという。中堅~大手企業の情報システム担当者は、マニュアル作成のための製品があるという認識がなく、タイトなスケジュールの中、WordやExcelなどで苦労してマニュアルを作っていることが多い。まずは認知度を高めることが必要と認識している(小林明子)。

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/311

小林 明子(コバヤシ アキコ) 主席研究員
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