矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2021.11.26

【アナリストオピニオン】コロナ禍で急速に伸長する仮想オフィスツール市場の実態と将来展望③

将来展望と仮想オフィスツールの普及に向けた課題

今後は、テレワーク環境下での各種コミュニケーション課題を解決するツールとして活用される他、働き方の多様化に伴い、リアルオフィスに置き換わって活用されるケースや、リアルオフィスとテレワークを繋ぐプラットフォームとして活用されるケースなど、仮想オフィスツールの在り方が多様化していくとみる。

市場規模は、2022年度に前年度比225.0%の45億円、2023年度は同比177.8%の80億円、2024年度は同比168.8%の135億円と推移し、2025年度には同比133.3%の180億円まで伸長すると予測する。2019年度からのCAGR(年平均成長率)は176.8%である。

仮想オフィスツール市場が成長するにあたり、次の2点が課題として挙げられる。
まず、2020年度に急速に注目を集めた仮想オフィスツールではあるものの、市場全体の認知は依然として低い状況にある。特にコミュニケーションツールという観点で比較すると、Web会議システムやビジネスチャットなどとは認知度に大きな開きがあるだろう。
現状、様々な仮想オフィスツールが乱立して市場は混沌とした状況にある。認知度の向上に対しては、用語の定義や事例の創出など、市場に参入するベンダ各社が様々な取組みを進めることが求められる。こうした中、oViceが2021年にテレビCMを出稿したことは、仮想オフィスツール市場にとってプラスに働くとみる。

また、様々なコミュニケーションツールが普及している中、仮想オフィスツールを活用せずとも最低限のコミュニケーションを行うことができる状況にある。言い換えれば、仮想オフィスツールは事業活動を遂行する上で必須の手段ではなく、より円滑なコミュニケーションを実現するための付加価値の要素を持った製品である。そのため、仮想オフィスツールを活用する動機付けが明確にならない場合、ユーザの利用頻度は次第に低下していくと考えられる。

コミュニケーションの活性化や勤務状況の可視化など、仮想オフィスツールの活用を通じて得られるメリットをユーザが享受できるよう、ユーザとベンダが一体となって施策を検討し実行する必要がある。また、ユーザへの定着に向けて重要となってくるのがカスタマーサクセスの体制であり、今後は製品導入時の支援や導入した後の継続的なフォローの重要性が更に高まるとみられる(星裕樹)。

※全文は以下よりご覧いただけます

https://www.yanoict.com/opinion/show/id/332

星 裕樹(ホシ ユウキ) 研究員
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