矢野経済研究所 ICT・金融ユニット

2022.05.09

【AIにできない仕事㉔ AI導入でも回避できず コロナ禍の自動車生産停止】

コロナ感染拡大による工場操業規制の影響で自動車は世界中で減産となり、かつては1億台超えを見込まれていた2021年は9,000万台以下の販売台数にとどまりそうです。とりわけ半導体工場の操業停止の影響が大きかったといいます。
しかし、こうした状況下においても、「無人化工場」を実現しているテスラのEVだけは、生産を継続されていました。AI活用の無人化工場においては人手不足解消、コスト削減、品質向上、容易に移転が可能、人同士の接触を回避できるなどのメリットがあるためです。
ところがここにきて世界の自動車工場では半導体以上にワイヤーハーネス不足が生産を停止させているようです。ワイヤーハーネスは電線を束ねる工程で機械による自動化が難しく、人件費の安い途上国での「人海戦術」に頼らざるをえません。途上国は感染対策が十分ではなく、接触回避のためにワイヤーハーネス工場は停止せざるを得なかったのです。
どんなに自動車製造工程が自動化しても、それだけでは成し遂げられない部分が残ります。テスラは今年からワイヤーハーネス削減に動いていますが、全自動車メーカがそのようになるにはまだ時間がかかるでしょう。案外AIが普及してからも、全体構造の一部にでも生身の人間が関わっている限り、物事はそちらに引きずられてしまうのではないでしょうか(森健一郎)。
(注)22年3月に本原稿執筆後、ロ・ウ戦争の影響により世界のEVは原材料高からくるさらなる生産縮小が懸念されています 

森 健一郎(モリ ケンイチロウ) 主席研究員
市場の分析は、数字だけには留まりません。得られた数字の背景には、開発担当のパッションや、販売担当のため息、消費者の感覚の変化・・・など様々な人間くささがあります。こうした背景を踏まえたコメントを丹念に拾い、市場の将来像を予測分析していきたいと考えています。

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